初めに
中学受験の受験者数が年々増加している昨今、学校選びはますます難しいと感じていませんか?
偏差値の高い、いわゆる難関校だけを目指している中、ボリュームゾーン校と言われる偏差値40台の学校を先生から提案されて、選択肢に入れるべきか迷われている方もいるのではないでしょうか。
当サイトでは実際に偏差値40台のボリュームゾーン校に進学してみてわかった、メリットデメリットを紹介します。
偏差値40の学校に行く意味があるのか?
結論として、偏差値40台の学校はとてもおススメです!
実際、「40台の学校に行くために、わざわざ小学校の時間を無駄にしてまで勉強する意味ある?」こういう声をよく聞きます。いやはや全く失礼な話です。ですが、私自身もそう思っていました。
高校受験と中学受験の大きな違い
中学受験の「偏差値」は高校受験や大学受験とは全く別ものです。偏差値は母数の得点分布から算出されます。高校受験と中学受験とを比較するとその母数は全く違うので分布も異なってきます。
高校受験の進学率は同年代の子供の100%近くとなっていますが、中学受験はわずか10%なのです。その数で得点分布から偏差値を出しているので、同年代の全体の平均よりもはるかに上の層に含まれることになります。
ですから、わずか10%の中での偏差値40台のエリアは全体の中でははるか上位に含まれていくのです。
少子化でも生き残る力強い魅力のある学校群
綿密な取材とリアルな描写で話題の「二月の勝者」において、黒木先生も言っていました。
「偏差値の低い学校でも、この少子化の中、廃校にならずずっと生き残っている、それだけで素晴らしい魅力のある学校です。」
確かにこの言葉は中学受験の学校選択の上で真実を表現していると思いました。
偏差値40台の学校魅力とは
ここからは実際にボリュームゾーンの学校(ボリュゾ校)の魅力についてご紹介します。
(当然のことながら、1か所しか学校に通っていないので、ご紹介するポイントがボリュゾ校のすべてではありません。もっともっとたくさんの魅力ある学校が存在します!)
実際に通ってみて、まず感じたことは
- 先生たちが自分の学校のレベルを正確にとらえている。
- 入学してくる子供たちの扱いが上手い。(成熟度、幼さに慣れているので子供たちを乗せるのも締めるのもうまい)
- 大学受験の結果が年々上がってきてる。6年間で子供を伸ばすカリキュラムが毎年でブラッシュアップされるので、自分たちの代でどのように変わるのかが楽しみになる。
- 学校のカリキュラムが充実している。
- 授業以外にも課題や補習でフォローアップする体制ができている。
- 高校卒業時に自分たちの本当の偏差値がわかる。
というように、思ってた以上に先生方の熱い思いを感じることができました。
やはり私立学校も一つの企業ととらえると、その企業努力を怠らない姿には感動すら覚えました。
また、このレベルの学校だと、第一志望として目指してくる子供は少なく、ほとんどが残念組の集まりといえます。子供ごごろに挫折感を抱えて入学しましたが、実はその悔しさを共有できる仲間に出会えたというのも大きな財産でした。
ボリュゾ校のメリットとは
例えば実際の持ち偏(偏差値)よりも頑張って高い学校に合格できたとします。でも入った後に、周りのレベルについていけず、沈んでしまう(いわゆる深海魚)ということもよく聞きます。
それよりも、持ち偏より少し低めの学校だったとしても、そこで余裕をもって勉強できるほうが良い成績が取れる可能性が高くなります。
昨今の大学受験は、推薦が5割以上、と聞きます。AO入試なども合わせると一般受験組と逆転現象もあるようです。
良い成績、すなわち評点が取りやすければ、それだけ推薦を取りやすくなります。もし自分の希望する学校の推薦枠があったときに、評点をとれていればそれだけ自分自身での選択肢も増えるでしょう。
また、勉強に余裕ができるということは、部活や趣味や友達との時間も確保できるようになります。
濃密な学生生活を送ることができるでしょう。
どんな子が向いている?
我が子もそうでしたが、まだ小学生の続きの幼い子が多い印象です。
一方、学校で出される課題も多く、最初のころは課題宿題をちゃんと出せる子は少ないようでした。でもそういうことは先生方は織り込み済み。
親側からの声かけも最初は求められましたが、学年が上がっていくにつれて少しづつ、自立にむけて成長できるようにシフトしていくという学校の姿勢は一貫性がありました。
したがって、中学受験の時点で、自分でタスク管理ができているような精神年齢が大人なお子さんでは物足りないかもしれません。
逆にまだまだ幼さが残るような子は、同じような子供たちが集まる中で、切磋琢磨して成長できる場であると感じました。
中高一貫校の魅力とは
ここで、改めて中高一貫校の魅力について考えてみましょう。
中高一貫校の魅力は以下の点であると考えます。
- 6年間を一つのスパンとして一貫的な教育がをうけられる優位性
- 立派な学習設備や潤沢な備品に恵まれた部活動
- 教育の質は先生方の熱意に依存する
- 同じような友人に出会える環境
個別に解説します。
6年間を一つのスパンとして一貫教育がうけられる優位性
学校の一環した目的が大学合格となっているので、それに向かってカリキュラムが組まれています。実はこれは重要で、中学時代からそれに向かっていろいろな種をまいておくことが必要と考えます。昔は公立中から高校入学で学校が変わるタイミングで先生たちも変わるので、中学校では高校受験のために必要なアドバイスになりがち。
でも6年間を一つのスパンと考えられるのであれば検定などを中学時代から段階を踏んで取得するよう促してくれます。
また授業の先取りができるのも魅力です。公立中学の場合、進度のカリキュラムが決まっているために先取り授業はできません。
一方、私立校の場合はカリキュラムは柔軟に組み合わせられるので、中学1,2年で3年分を終わらせるという学校も多いです。特に数学や英語の場合はより理解が進むように単元を組み合わせていると実感しました。
立派な学習設備や潤沢な備品に恵まれた部活動
私立校の大半は寄付金の制度があります。寄付なので自由ではありますが、まあほとんどの人が最低口数は寄付をするのではないでしょうか。また伝統ある学校であればあるほど、OBOGも多く、中には成功している人物がいたりして、そこからの寄付も期待できます。
寄付金の他、受験者数が増えればそれだけ受験料という収入もあります。生徒一人一人の学費以外にも見込める収入の要素が私立学校にはあるわけです。
それだけ資金が集まるということは、設備投資や部活動費などにも充てることができます。
入学後、運動部で活躍することを楽しみにしている受験生にとって、大きなグラウンドや立派な体育館があるのは魅力の一つでしょう。しかし、都内などでは広い敷地を持っている学校は限られています。校内で練習ができない部活動は、外部の施設を利用するようなケースもあります。
そういう施設を借りる場合の費用なども実はあまり気にしなくてもよいのです。
公立校でもきれいな最新鋭の設備や備品の多い学校もたくさんありますが、自治体の予算と他の学校との兼ね合いもあり、自分が通うタイミングできれいな校舎を利用できるかどうかはわかりません。
教育の質は先生方の熱意に依存する。
同じような友人に出会える環境
そして残りの二つはまさに私がボリュゾ校に我が子を通わせて実感したことです。
まとめ:偏差値40台だからこその魅力がいっぱい
数ある私立中学の中で偏差値40台の(ボリュームゾーン)学校に行かせるメリットはあるのか? について、我が子を通わせた私自身の経験からお伝えしました。
偏差値40台といっても、全体の中では上位10%に含まれる層であること
入った後に、自分たちの学校がどんどんレベルアップしていることを実感できる
同じような精神年齢の子供たちが集まっているので、お互いに切磋琢磨しやすい環境にある
中高一貫校で学ぶことは大学入試にむけて先取り授業ができるという大きなメリットもある。
といった点からも、入り口が比較的入りやすいボリュームゾーン校はとてもお得なおススメできる選択だと言えます。
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